現在コールセンターで働いている方
これから働いてみようかなと思っている方
「自分はコールセンターに向いているのだろうか…」と思ったことはありませんか?
コールセンターで15年働いた私でさえ、「向いていないから辞めたい」と何度思ったことか。仕事にはもちろん不向きがあるし、向いてないと思うなら違う仕事を探すのも一つの方法です。
とはいえ、そもそも「向いてる・向いてない」ってどこで判断するのでしょうか。
今回は、オペレーターの採用や教育に携わっていた私から見た、コールセンターに「向いている人」「向いていない人」について深堀してみたいと思います。
あなたの仕事選びにきっと参考になりますよ!
・某大手コールセンターに未経験で入社
・オペレーター・SV・マネージャー全て経験
・クレーム対応が得意
コールセンターに向いている人・向いていない人
私が多くのオペレーターさんと接する中で感じた「コールセンターに向いている人・向いていない人」について解説します。
コールセンターに向いている人
コミュニケーション能力が高い
コールセンターに向いている人は、「相手が何を言っているのか、何をしてほしいのか」を聞き出し、明確で分かりやすい口調で答えられる人、いわゆるコミュニケーション能力が高い人です。
なぜなら「聞いているだけ」「一方的に話すだけ」では、問題が解決せず相手に不満が残るだけだからです。
とはいえ、ものすごく高いコミュニケーション能力を求めているわけではありません。お客様と普通に会話のキャッチボールができる人であれば、コールセンターに向いていると言えるでしょう。
冷静で忍耐強い
「冷静で忍耐強い」というのも、コールセンターの仕事に向いている要素の一つです。
コールセンターの経験のある方なら、お客様から不満や苦情を言われたことがないという方は一人もいないはず。時には相手の話をひたすら聞かなければならないこともあるでしょう。
時と場合にもよりますが「感情的にならず忍耐強く冷静な対応」ができる人は、コールセンターや接客業全般に向いていると思います。
協調性がある
「協調性」はコールセンターだけに関わらず、どの業界でも求められる大切な要素です。
コールセンターの場合も、SVからの助言を素直に聞き入れたり、会社の方針に沿うことは人間関係を築くためには不可欠なこと。
とはいえ、それほど特別なものを求めているわけではなく、「自分の我を通しすぎない」ことを意識することで解決できるはずです。
学習意欲が高い
コールセンター業務は想像以上に覚えることがたくさんあるし、ちょこちょこマニュアルが変わることも珍しくありません。
教えられたことを覚えるのは当たり前ですが、電話が鳴らないときは資料を見て勉強する、他人の会話を聞いてトークの参考にする、クレームも経験の一つと考えるなど、積極的に学ぼうという意欲の高い人はコールセンターに向いていると言えるでしょう。
コールセンターに向いていない人
打たれ弱い
「私は打たれ強い!」と自信を持って言える人は、それほど多くないと思いますが、ストレス耐性が低い人は、プレッシャーの下で冷静な判断ができない傾向にあるのは事実です。
言うまでもありませんが、コールセンターの仕事は時にストレスを伴い、忍耐強さと冷静な対応が求められるため、ストレスに弱い人には負担を感じる仕事かもしれません。
自己主張が強い人
私の経験上、自己主張が強すぎる人は相手にとっても自分にとっても、マイナスになることが多いような気がします。
なぜなら自己主張が強すぎる人は「話したがる」傾向にあり、話を聞いてほしいと思っている顧客を怒らせてしまいがちだからです。
また、コールセンターの仕事を「しゃべる仕事」と勘違いしている人も、うまくいきません。コールセンターの仕事はあくまでも「相手の話を聞きながら問題を解決してあげる」仕事です。
自己管理が苦手
社会人として「自己管理」は何より大切なことです。
遅刻をしない、シフトを間違えない、突然休まないなどは最低限の自己管理ですが、コールセンターの場合は、不機嫌な感情を声に出さない、相手の感情に引きずられないなど、感情のコントロールが不可欠だからです。
『たかが電話、されど電話』で、感情がもろに出てしまうのが電話なんですよ。
仕事は「向き・不向き」で選ぶことはない
さて、ご自身の「向き・不向き」を理解したとして、そもそも『コールセンターに向いていない』というのは正しい判断なのでしょうか。
おそらくほとんどの方が「自分には無理かも」「向いていない気がする」、もしくは辞めたいから「向いていないと思い込んでいる」のではないかと。
私は日頃、「仕事は向き・不向きで選ぶことはない」と思っています。
なぜなら私の部下にも、
- 「あんまり上手くしゃべれないけど電話の仕事は嫌いじゃない…」
- 「コミュ障だけど人の話を聞くのは大丈夫」
- 「決して打たれ強くないけど、感謝されることも多いから頑張る!」
というように、「向いていない」と自覚しながら仕事をしている人が意外と多いからです。
仕事は「向き・不向き」で選ぶのではなく「やりたいか・やりたくないか」で選ぶというのが私の持論です。
「環境を変えてみる」ことで解決することも
コールセンターに向いている・向いていないはさておいて、現在お仕事をされている方で、「もう限界..」と思うのであれば潔く辞めるのも一つの方法です。「頑張れなかった」「途中で投げ出した」などと自分を責める必要はありません。
とはいえ皆さんが「迷う」のは、コールセンターの仕事にデメリットばかりでなくメリットも感じるから。
仕事が嫌いなわけじゃないけど、職場の雰囲気や人間関係がイヤ、というなら「環境を変えてみる」というのも一つの方法です。
幸い、今はコールセンターの求人も多く「職場を変えたら気が楽になった」という方も少なくありません。
具体的には、
- 人間関係が嫌なら、別のコールセンターに転職する
- 仕事内容が難しければ「アウトバウンド」⇔「インバウンド」に変えてみる
- 管理者に見張られているようで嫌だと思うなら在宅コールセンターに変えてみる
など、嫌なことを排除しながらコールセンターで培ったスキルを活かすのも合理的な考え方ではないでしょうか。
一つずつ詳しく解決しますね。
別のコールセンターに転職する
一口にコールセンターといっても、職場の雰囲気はさまざま。あなたの勤めている職場が、たまたま合わないだけかもしれません。
一度スキルを身につけてしまえば、どこへいっても経験が役に立つのがコールセンターの仕事の強み。「二度とコールセンターの仕事なんてしない!」と思わずに、別のコールセンターに転職してみるのも良いですよ。
「アウトバウンド」⇔「インバウンド」
面白いほど好みが分かれるのが「アウトバウンド」と「インバウンド」。
「営業の電話なんか架けたくない」人もいれば、「マニュアル通りに話せばいいから架けるほうがラク」という人もいます。
一般的には「アウトバウンド」の仕事は研修日数も短いし、その割には時給が高いというメリットもあり、インバウンドで憔悴しきってしまった方でも新鮮な気持ちで取り組めるかもしれませんよ。
在宅コールセンターという働き方
コールセンターの仕事は嫌いじゃないけど、「職場環境や人間関係がめんどくさくて…」という方におすすめなのが「在宅コールセンター」という働き方です。
最大の魅力は「他人の目が気にならない」こと。住み慣れた自宅で、トイレに行くのもいちいち気兼ねしない環境は、在宅コールセンターならではのメリットです。
「人に監視されているのは嫌、のびのび仕事がしたい」という方にも絶好の環境と言えるでしょう。
在宅コールセンター | 通常のコールセンター | |
---|---|---|
通勤 | なし | 場所によっては時間がかかる |
休憩時間 | 大手の場合は決められているが、自由なところも多い | 指定される |
髪型・服装 | 完全に自由 | 常識の範囲で自由 |
PC機器 | 手慣れたものを使える | 企業が提供するものを使用 |
周辺環境 | 他人の目が気にならず、静かな環境で落ち着いて仕事ができる | 常にざわついているので、電話の声がききとりにくい事がある |
具体的にどんな仕事があるの?
在宅コールセンターの一例をご紹介しましょう。
◆【在宅】お客様対応スタッフ(カスタマーサービスアソシエイト)
皆さんおなじみの「Amazon」のコールセンターで、購入関連のお困りごとやAmazonプライムのサービス、お客様のご登録情報などについてのお問い合わせに答える仕事です。
世界的企業の「Amazon」が運営しているだけあって給与や待遇面は文句なし。パソコンなどの機材も全て貸与されます。
◆コールシェア
スマートセル株式会社が運営する、在宅専門のコールセンター。こちらの会社は、いわゆる「テレアポ」業務が多く時給制ではありませんが、頑張り次第では高収入が得られる楽しみがあります。
初心者OKとなっていますが、みなさんのように経験のある方のほうが稼げるはずです。
◆フォンデスク
このお仕事は、いわゆる「秘書代行」と言われる仕事で、コールセンター業務の中では比較的簡単な仕事です。この仕事は クラウドワークス を通して募集しています。
ちなみに、クラウドワークス に登録して、🔍仕事を探すで「コールセンター」と検索すると、30件前後のお仕事がヒットします。
在宅コールセンターで働いている方の口コミ
まとめ
今回は、『コールセンターに向き・不向きはあるの?業界15年のプロが徹底検証』と題して私の考え方も含めて解説しました。
- 仕事の「向いている」「向いていない」は一つの目安にすぎない
- 仕事は向き不向きではなく「やりたいか」「やりたくないか」で選ぶべき
- コールセターの働き方はさまざま。環境を変えてみるのも効果的
コールセンターの仕事は時間的に自由度が高く、現在、政府が推奨している「副業」として、別の仕事と組み合わせやすい仕事でもあります。
この機会に、未経験の方であれば一度挑戦してみる、経験者の方は自身の将来について振り返ってみるのも決して悪くはありませんよ。